ゼロの使い魔 ハルケギニア南船北竜
グレンジャー討伐戦



 ブリミル歴6239年アンスールの月フレイヤの週オセルの曜日、アルビオン王国北部にて空賊を装い、民間船舶への襲撃を行っていた貴族らの首魁であるグレンジャー侯爵(彼が叛乱を企図していたことは、表向き伏せられていた)の捕縛を目的として、皇太子ウェールズ率いる艦隊は首都ロンディニウムを出立。
 二日後の同月ヘイムダルの週虚無の曜日早朝、王軍の艦隊はグレンジャー領に到着。激発を防ごうとするも、グレンジャー側の艦隊は戦意も旺盛に、王軍へと向かってきた。


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 王軍の艦隊は旗艦『ヴィジラント』を含め二等戦列艦3隻、フリゲート6隻、その他3隻を有し、地方叛乱を鎮定するには十分すぎる艦隊であり、対するグレンジャー側は、全長50メイル前後の商船に武装を施した、軍艦としては仮装砲艦か大型スループに類する5隻の武装商船であった。


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 王軍が領内へと進入し、山陰から現れたグレンジャーの艦隊を発見した時には、互いの距離は既に8リーグ(約8000メイル)を割っていた。
 この時点では、王軍の艦隊は威圧を目的とした横隊を取っており、接敵前に艦隊の陣形を立て直すことが必要であった。


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 事前の計画通りではなかったが、敵にさほど有力ではない増援が現れた場合の想定に従い、王軍の艦隊は主力と遊撃に分かれて二つの単縦陣を形成した。


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 主力部隊は射程外からの乱雑でほぼ無力な砲撃を受け流しつつ、有効射程の2000メイルまで接近して切り返し、同航戦にて敵艦隊を砲撃、短時間で無力化した。戦闘に参加した各艦ともに軽微な被害でとどまっており、空海戦については王軍側の完勝と言って良い。
 この間、遊撃部隊は敵の進路前方に位置し、敵の行動の自由を奪って主力部隊の行動を容易ならしめた。

 ほぼ反撃の手を封じた後、ウェールズは残存する敵艦の拿捕を遊撃部隊に命じたが、接舷直後に敵艦が大爆発を起こし、巻き込まれたフリゲート3隻のうち2隻が爆沈、1隻が大破した。






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