高江ヘリパッド建設反対の訴え 高江に心を寄せる全ての皆さま 7月1日から工事を再開すると公言していた沖縄防衛局が、1ヶ月たった現在も未だ大 きく動き出していません。これは住民の会と、各支援団体や支援者が協力しての、24時 間体制の座り込みと、東京をはじめ全国での抗議表明、法廷での弁護団の論争、その他様々 な場所での高江を支える取り組みの成果と確信しております。特に、 6月からの行動に関 しては、『基地の県内移設に反対する県民会議』の構成団体が全面支援を確認し、各団体の 街宣カーをゲート前に配備した事が大きな力になっています。先ずはそれらのことを確認 し、感謝申し上げると共に、引き続きのご理解とご協力をお願いするものです。 また、沖縄防衛局が工事着工に踏み出すことを躊躇している事の裏に、政府・防衛省が これまで否認し続けていたオスプレイ配備を明言せざるを得なくなったことが、大きく影 響しているものと思われます。 仲井真県政は、再三オスプレイ配備反対を明言しています。6月12日には又吉県知事 公室長がオスプレイ配備に関し「明示的に北部訓練場での影響を聞いている。当然、それ は高江の方針に影響を与える」と指摘し、政府の回答次第では高江ヘリパッド建設を容認 している県の姿勢を改める可能性をコメントしました。さらに、県議会は 7月 14日に与 野党全会一致でオスプレイ配備反対決議を採択しました。 これらの県政や県議会の動き、またオスプレイ配備に恐怖する県民の怒りの声が、沖縄 防衛局をして工事を強行することを、ためらわせているものと推測できます。 事実、この一概に「高江ヘリパッド」と言われるヘリ訓練場が、配備が予定されている オスプレイの離発着訓練場となることは誰の目にも明らかであり、工事強行がオスプレイ 配備反対と相まって、高江ヘリパッド建設反対の県民世論となって、噴出してきているか らです。 それだけに、私達は県政や県議会が明確に高江ヘリパッド建設反対を打ち出してもらう ことを期待し、要請していきたいと思います。その上で“オスプレイ配備反対”の県民世 論と連帯して、取り組んでいく事が大切だと決意を新たにしているところです。是非県民 の皆さん、2012年10月からの、普天間基地へのオスプレイ配備を止め、併せてその 離発着訓練場である、高江ヘリパッド建設を止めようではありませんか。 【住民弾圧裁判について】 このような私達の運動に対して、防衛局はあろうことか、「通行妨害」という名目で住民 を裁判に訴えるという信じられない手段を講じてきました。この裁判の原告は「国」です。 国が住民の反対意見を無視し、問題をヘリパッド建設の賛否そのものではなく、工事ゲー ト前の「通行妨害」という一点に矮小化させて司法に訴えてきたのです。このような手法 は民主国家ではあり得ないことであり、司法の世界では巨大な権力が国民・住民を弾圧す るスラップ訴訟として糾弾されています。 現在この訴訟は、昨年3月の開始依頼、9回の公判がもたれていますが、防衛局は裁判 所の再三の求めにも関わらず、何が妨害行為にあたるのかという最低限度の説明責任をも 果たすことが出来ていません。私達は、正当な司法の建前もかなぐり捨て、住民弾圧を目 的とする、この権力の無謀を許すわけにはいかないとこの裁判の勝利に向けて結集してい ます。 オスプレイ配備反対の闘いは、すでにこの高江から始まっています。 高江は沖縄の未来を左右する重要な分岐点の一つです。 北部訓練場の、殆ど使われていない半分と引換に、今ここに“オスプレイパッド”が造 られてしまったら、私達高江区民にとっても、そして全県民にとっても耐え難い苦痛を背 負いこむことになってしまいます。 今後も爆音や危険と隣合わせに生きて行くのは、私達の子供たちです。私達は後世にこ れまで以上の負担を強いることを望みません。 私達は、本日の集会で、ヘリパッドすなわちオスプレイパッド建設を必ず止める決意を 宣言します。そして、県民とすべての皆様のご理解とさらなる支援を求めたいと思います。 2011年 7月 31日、東村高江公民館にて 高江・ヘリパッドいらない住民の会 一同